〇ダーモスコピー

 川を陸から見ると光の乱反射により水面がキラキラ輝くため水中の魚や石がはっきり見えません。しかし、釣り人にはお馴染みの偏光フィルター付きのメガネを使えば、水中の魚や石まで見えるようになります。これを検査に応用したのが、ダーモスコピー検査です。偏光フィルターの付いた拡大鏡により、皮膚の少し深くを観察する検査です。皮膚腫瘍、色素性母斑(ほくろ)、表在性色素性疾患(シミなど)の診断に有用です。ダニが見えることもあります。

 当院では、ダーモスコピー検査を常日頃から行っております。他にも様々な種類の拡大鏡を用いて診察しております。ただの拡大鏡(虫眼鏡)と言っても侮ること無かれ、皮膚科医が使うと色々なものが見えてきます。

〇高輝度ターゲット型エキシマライト(紫外線治療器)

 皮膚科医の行う治療手段は多岐にわたります。外用剤、内服薬、注射薬、紫外線治療、手術治療、レーザー治療など様々なものがあります。その中でも紫外線治療は、皮膚科医の行う治療の中でも専門性の高い治療の一つとされています。
 高輝度ターゲット型エキシマライトは紫外線治療の最新(第三世代)のものに位置づけられています。紫外線治療器の第一世代としては、比較的広い幅の波長を用いた(ブロードバンド)UVAもしくはUVB治療を行っていました。その後、紫外線中の有効波長が研究され、第二世代として、ナローバンUVBを用いた治療器が登場しました。第一世代、第二世代の紫外線治療も効果は比較的認められましたが、有効な紫外線量を得るためには長時間の照射が必要であったり、健康な皮膚にも紫外線を照射するため副作用の問題がありました。そこで、高輝度ターゲット型エキシマライトが短い治療時間で効果が高く、かつ副作用のリスクが少ない治療器として開発されました。当院では、株式会社ジェイメックの高輝度ターゲット型エキシマライトであるVTRAC®(ヴィトラック)を使用しています。

 このVTRAC®(ヴィトラック)の治療で特に有効とされる疾患は、アトピー性皮膚炎・円形脱毛症・尋常性乾癬・尋常性白斑・掌蹠膿疱症などとされています。